北海道支部
Hokkaido branch
【連絡先】
公益社団法人日本雪氷学会 北海道支部
事務局 北海道科学大学工学部
〒006-8585 札幌市手稲区前田7条15丁目4-1(担当:千葉)
2003年度 春の講演会

「寒地ITS(高度道路交通システム)の研究開発」・「北西太平洋上で急激に発達する低気圧と水蒸気輸送

日 時: 2003年4月25日(金) 13:30〜15:00
会 場: 北海道大学学術交流会館第一会議室(札幌市北区北8条西5丁目)
参加費: 無料
講 演:

「寒地ITS(高度道路交通システム)の研究開発」
北海道開発土木研究所道路部防災雪氷研究室長
加治屋 安彦

「北西太平洋上で急激に発達する低気圧と水蒸気輸送」
北海道大学大学院理学研究科講師
遊馬 芳雄

講演要旨

「寒地ITS(高度道路交通システム)の研究開発」

 積雪寒冷地の冬期交通は、滑りやすい雪氷路面や吹雪による視程障害など車の運転には非常に厳しい条件を呈している。しかし言い換えると、ITSの潜在的インパクトの大きな分野であるとも言える。 本講演では、北海道が抱える道路交通の課題とITSの関連を明らかにするとともに、北海道開発土木研究所が現在研究を進めている寒冷地AHSやインターネット道路情報提供システムの現状を紹介し、これらの技術を将来の北海道の発展のためにいかに活用していくべきかを述べる。 ITSの本質は、情報通信(IT)技術を駆使して既存の施設からより高いサービスを引き出すことにある。21世紀のいま、モノからコトへの発想の転換が求められている。21世紀の北国に適したITSの展開がいま始まろうとしている。

「北西太平洋上で急激に発達する低気圧と水蒸気輸送」

 冬季間に日本海からオホーツク海、北西太平洋上で急激に発達する低気圧をしばしば見かける。これらの低気圧は「爆弾低気圧」とも呼ばれ、高緯度の海上域で急発達することが知られている。地球規模のエネルギーや水循環を考える上で、「低気圧」は中・低緯度から高緯度や極域に熱や水蒸気を運ぶ原動力となっている。また、低気圧の周囲には多くの降水(降雪)をもたらすことから、氷河や氷床等の雪氷圏の涵養にも大きな影響を与えている。 本講演では日本周辺の北西太平洋域での「爆弾低気圧」の発生と発達域から3つのタイプに分けられること、その活動度には明白な季節変動があり、内部構造や発達率にも違いがあることを示し、大規模場の構造が低気圧の構造にも影響を与えていることを述べる。さらに、これら3タイプの低気圧の水蒸気輸送についても議論する。

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